「火災保険を使えば、実質0円で屋根の修理ができますよ」
「面倒な申請手続きは、私たちが全部代行しますから安心してください」
最近、こんな電話がかかってきたり、突然インターホンが鳴ったりしていませんか?
結論から言います。その「うまい話」、ほとんど罠です。
こんにちは。長年、建築の現場で汗を流してきた「左官オヤジ」です。
普段は壁を塗ったり家の修繕をしている筆者ですが、最近あまりにも「火災保険の申請代行」をめぐるトラブルに巻き込まれるお年寄りや主婦の方が多く、居ても立っても居られず筆を執りました。
甘い言葉に乗せられて契約すると、高額な解約金を請求されたり、最悪の場合、あなた自身が「保険金詐欺」の犯人(共犯)にされてしまう恐れすらあります。

日本損害保険協会の公式ページより画像引用

この記事では、現場を知り尽くしたプロの視点から、以下のことを徹底解説します。
- 怪しい業者が使う「騙しの手口」全パターン
- まともな業者と悪徳業者の「見積書」の決定的な違い
- しつこい営業を一発で黙らせる「断り方」
あなたの大切な家と資産を守るため、この記事をブックマークして対策してください。
なぜ今、「火災保険の申請サポート」トラブルが急増しているのか?
そもそも、なぜこんな怪しい業者が増えたのでしょうか。
背景には、近年の大型台風や豪雨災害の増加があります。
「火災保険は火事以外(風災・雪災)でも使える」という知識が広まったことにつけ込み、
「使わないと損ですよ」と消費者の心を煽るのです。



国民生活センターや金融庁も、繰り返し強い言葉で警告しています。



彼らの目的は、あなたの家を直すことではありません。
「降りた保険金の中から、30%〜50%という法外な手数料(コンサル料)を抜くこと」こそが真の目的なのです。
騙されないで!怪しい業者が使う「手口5選」と魔法の言葉



現場のプロとして断言します。まともな地元の工務店や職人は、以下のような営業トークは絶対にしません。
- 「無料で屋根の点検をしますよ」
- 「このままだと危ないですよ」
- 「火災保険を使えば実質0円です」
- 「面倒な申請手続きは全部代行します」
- 「キャンペーンは今日までです」
「無料で屋根の点検をしますよ」
これが一番多い入り口です。「近くで工事をしている挨拶に来た」などと言って、屋根や床下など、家主が見えない場所を見たがります。
【プロの視点】
見ず知らずの人間を屋根に上げさせるのは自殺行為です。
悪質な業者は、こっそり瓦を割ったり、釘を抜いたりして「壊れていました」と写真を撮る(自作自演)ことがあります。
屋根の上では誰も見ていないため、証拠が残りません。
「このままだと危ないですよ」
「瓦がズレています」
「今すぐ直さないと雨漏りして家が腐ります」と、とにかく不安を煽ります。
特に、コーキングのひび割れから漏水すると脅す業者は要注意です。
【プロの視点】
本当に今すぐ倒壊するような危険があれば、その場でもっと具体的な処置を提案します。
不安だけ煽って「とりあえず契約を」と急かすのは、詐欺師の常套手段です。
「火災保険を使えば実質0円です」
「自己負担ゼロ」という言葉は強力です。
しかし、保険金がいくら降りるか(あるいは降りないか)を決めるのは、業者ではなく「保険会社の鑑定人」です。
また、地域により基準も様々です。
【プロの視点】
業者が「絶対に降ります」「必ず満額出させます」と断定することは、法律(弁護士法や保険業法)に触れる可能性が高い危険な行為です。
「面倒な申請手続きは全部代行します」
「書類作成や保険会社への連絡は、プロの私たちがやっておきます」と言ってきます。
【プロの視点】
火災保険の申請は、原則として被保険者(あなた)が行うものです。
頼んでもいない業者が勝手に代行することはできません。
しかし、地元の信頼できる塗装専門店なら頼んでも問題ありません。
「キャンペーンは今日までです」
考える時間を与えず、その場で契約書にサインさせようとします。
【プロの視点】
私たち職人は、見積もりを出してから「ご家族でよく相談してください」と伝えます。
即決を迫る業者は、誰かに相談されると嘘がバレるから急かしているだけです。
ここが見極めポイント!「悪徳業者」VS「優良業者」の見積書比較



ここだけの話、プロが見れば見積書一枚で「怪しいかどうか」が一発で分かります。
彼らの手口は杜撰(ずさん)です。
| チェック項目 | 怪しい業者 | 優良業者 |
|---|---|---|
| 工事名称 | 「屋根修繕工事 一式」 のみ | 「瓦差し替え」 「下地調整」 など具体的 |
| 数量・単価 | 記載なし(総額のみ) | 「㎡」「個数」と 「単価」が明記 |
| 材料 | メーカーや 品番の記載なし | 使用する塗料や 材料の品番が記載 |
| 諸経費 | 30%〜50%と異常に高い | 一般的には10%〜15%程 |



「一式」ばかりの見積書が出てきたら、要注意です



外装工事や外壁塗装の優良企業が予算の補助として提案するものもあります。
その場合は、問題ないことを確認したうえで依頼しましょう。
契約してしまったらどうなる?
待ち受ける「3つの地獄」


「もし保険金が降りなくても、損はしないんでしょ?」
そう思っているなら大間違いです。契約書にサインした瞬間、リスクが発生します。
保険金が降りなかったり、不信感を抱いて解約しようとすると、「調査費用」や「違約金」として数万円〜数十万円を請求されます。
「成功報酬だから安心」と言っていたのに、話が違う!という相談が後を絶ちません。



火災保険は「自然災害」を補償するもので、「経年劣化(老朽化)」は対象外です。
悪徳業者は、明らかに古くなっただけの箇所を「台風のせいにして申請しましょう」とそそのかします。
これに乗ると、契約者であるあなた自身が詐欺罪に問われたり、保険会社からブラックリストに入れられる恐れがあります。
工事契約がセットの場合、彼らは保険金からたっぷり利益を抜いているため、実際の工事に回る予算はスカスカです。雨漏りが直らないどころか、さらに悪化することさえあります。


日本損害保険協会の公式ページより画像引用


これで撃退! 悪質業者が来た時の「最強の断り方」


① 基本の断り方(これで9割は帰ります)
「保険や修繕のことは、いつもお世話になっている地元の工務店に任せているので、結構です」



「知り合いのプロがいる」と匂わせるのが最も効果的です。彼らはプロの目が入ることを嫌います。
② しつこく食い下がる場合
「帰ってください。これ以上居座るなら警察(110番)に通報します」



法律上、「帰ってくれ」と言われたのに居座るのは「不退去罪」という犯罪になります。
③ 「点検だけでも…」と言われたら
「勝手に屋根に登ったら、住居侵入で訴えますよ」



毅然とした態度で接してください。
ドアを開ける必要もありません。インターホン越しで十分です。
本当に、自然災害の被害が出た時



怪しいコンサルタントなんて必要ありません。手順はシンプルです。
「いつ、どんな被害があったか」を伝えてください。
一番確実な保険の使い方と言えるでしょう。
「火災保険の申請に使いたいので、被害箇所の写真と見積もりが欲しい」と正直に伝えれば、地元のプロなら慣れたものです。
工務店からもらった写真と見積書を添付して、保険会社に送るだけです。
大事なのは、遠くの「申請代行業者」ではなく、何かあったらすぐに駆けつけてくれる「地元の職人」に相談することです。


火災保険は2024年10月に大きな料率改定(値上げ)



2024年10月から火災保険料が全国平均で約13%値上げされました。
火災保険のことについて正しい知識を持っていれば詐欺に合いにくくなります。
最新の情報を自分で確認する習慣を持ちましょう。
2024年10月以降の更新や新規契約者は値上げ対象ですが、現在の契約は満期まで変わりません。
値上げは地域や建物の構造で異なり、水災補償は地域ごとのリスク細分化(5段階)が導入され、一部地域では保険料が安くなる一方、高くなる地域もあります。
契約更新の時にはよく確認してくださいね。
まとめ
タダより高いものはない。「正しい知識」で家を守ろう
最後に、左官職人として一言。
「うまい話には、必ず裏がある」
家の修繕には、適正な価格と、確かな技術が必要です。
火災保険は「お金儲けの道具」ではありません。
保険が使えるか使えないかの判断は、信用のおける塗装業者を見つけてから相談してください。
または、直接契約している火災保険会社に確認をすれば間違いありません。
火災保険も色々あるので自分に合ったリスク管理で選んでくださいね。





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